美食の街リヨンには食後のデザートもおいしいものが揃っています。リヨン名物のお菓子やブションやレストランで定番のお菓子などさまざまです。ぜひ、リヨンで美味しいデザートまで堪能してください。
お店でメニューをみて分かるようにフランス語でも表記しています。
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ヴァシュラン Vacherin
ヴァシュラン Vacherinとはサクサクに焼いたメレンゲに泡立てた生クリームとアイスクリーム、フルーツをはさんだ冷たいデザートのことです。
見た目はフルーツのショートケーキのようですが、スポンジ生地ではなくメレンゲをつかっているサクサクとした軽い食感のするお菓子です。
フランスでは生クリームとフルーツをはさんだデコレーションケーキのようなものはないため、ヴァシュランは日本のデザートを思い起こさせるデザートです。
リヨンで19世紀に誕生した郷土菓子で、ブラッスリーやレストランでよく見られるデザートです。パティスリーにはあまり置いていないので、レストランでデザートとして食べてみてはいかがでしょうか。
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ガトー・プレジダン Gâteau Président
ガトー・プレジダン(Gâteau Président)は「大統領」という意味で、リヨンのショコラティエ・ベルナシオンのスペシャリテです。
プレジダンはノワゼットのプラリネをつかったガナッシュクリームにシェリー酒に漬けたさくらんぼをはさみ、表面をチョコレートで覆い、上に薄く削ったひらひらのチョコレートを扇形に華やかに飾ったチョコレートケーキです。
このケーキが生まれたのは1975年ですので、もうリヨンの伝統菓子と言ってもいいでしょう。当時の大統領ヴァレリー・シスカール・デスタンのためにこのケーキを考案しました。
プレジダンがつくられてから40年以上経ちますが、今でもベルナシオンの看板商品で昔と変わらない味を提供しています。
ベルナシオンのチョコレートは、中南米の国々産のクリオロという超希少な種類のカカオ豆を10種類もつかいチョコレートを自分たちで製造しています。
今まで食べたことのないチョコレートの味がするので、ぜひ食べてほしいチョコレートです。
ベルナシオンのカフェやポール・ボキューズの本店でガトー・プレジダンは提供されています。
ババ・オ・ラム Baba au Rhum
ババ・オ・ラム(Baba au Rhum)とはリキュールのラム酒に漬けたババ生地のデザートのことです。
ババとはブリオッシュのような発酵させてふくらましたパン生地のことで、この生地をラム酒入りのシロップにたっぷりと漬け、生クリームを添えて提供されます。
ババ・オ・ラムはリヨン名物のデザートではなく、フランス全国で見られるデザートですが、リヨンのレストランやブション、ブラッスリーなどでよく見られます。
ババ・オ・ラムはボリュームのあるデザートなので、リヨン料理にはぴったりなのかもしれません。レストランでは一緒にラム酒の瓶が添えられ、さらにラム酒をかけていただきます。
パン生地にたっぷりとシロップが染み込んでいて、甘くて強いラム酒のアルコールと香りを感じることができます。食後のデザートとしては重そうと感じるかもしれませんが、アルコールが食欲を促進させてくれて意外にもおいしくいただくことができます。
ポール・ボキューズ氏のセカンド店であるブラッスリーではババ・オ・ラムがデザートとしてメニューに並んでいます。サービスの方が半分に切って提供してくれます。
シンプルな見た目ですが、とてもおいしいので、ぜひリヨンで試してほしいデザートです。
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タルトタタン Tarte TATIN
タルトタタン Tarte TATINはりんごを型に詰め、タルト生地をかぶせて焼いたお菓子のこと。
砂糖とバターでキャラメリゼしたりんごを生地をのせて焼き、冷ましたら生地とりんごをひっくり返します。通常のタルトははタルト生地を下に敷いて、りんごをのせて焼くのですが、タルトタタンはりんごを下にして上に生地をかぶせて焼くのが特徴です。
砂糖とバターを加えたりんごを下にして焼くことで、りんごがキャラメリゼ(砂糖を香ばしく焼くこと)され独特の香ばしさがうまれます。
こちらもリヨン特有のデザートではなく、全国でみられますが、リヨンのレストランやカフェでは定番のデザートです。泡立てた生クリームやバニラアイスクリームを添えて、あたたかいタルトとして提供されます。
クレーム・キャラメル Crème caramel
クレーム・キャラメル(Crème caramel)は日本でいう「プリン」のことです。こちらもリヨン特有のデザートではなく、フランス全国でみられます。リヨンでもレストランやカフェなどのデザートとして定番です。
タルトやガトーショコラといった重めのデザートが多い中、クレーム・キャラメルは軽めのデザートといえます。
プリン型に牛乳や卵、砂糖を混ぜて、オーブンで焼いて冷まし、お皿の上でひっくり返します。泡立てた生クリームやバニラアイスクリームを添えたものもありますし、プリンだけの場合もあります。
日本のプリンはやわらかくてすっと溶けるプリンが主流ですが、フランスのプリンはしっかりとした生地で濃厚な味を感じることができます。プリン好きにはぜひ試してほしいです。
プリンの名前の呼びかたはさまざまあり、メニューに下記のような表記があれば「プリン」のことです。メニューの中を探してみてくださいね。
- Crème caramel クレーム・キャラメル
- Flan au caramel フラン・オ・キャラメル
- Crème renversée au caramel クレーム・ランヴェルセ・オ・キャラメル
タルト・ア・ラ・プラリン Tarte à la praline
タルト・ア・ラ・プラリン(Tarte à la praline)とは「赤いプラリネのタルト」の意味で、真っ赤な色をしたリヨンのタルト菓子です。
真っ赤なプラリネと生クリームを合わせたものをタルト生地に流して焼いてつくります。
プラリンとはアーモンドなどのナッツ類に加熱した砂糖をまぶしてコーティングして、赤い色をつけた香ばしいお菓子のことで、そのまま食べたり、すりつぶしてチョコレートに詰めたり、お菓子の具にしたりします。
鮮やかな真っ赤な色をしているのでびっくりするかもしれませんが、甘さの中にナッツの香ばしさがあり、リヨン人には人気のタルトです。レストランやブションのデザートとしてメニューに並んでいます。
以上、リヨンで定番のデザートを紹介しました。リヨンではデザートまで楽しみましょう。