リヨンでは豚肉や皮、内臓や脂肪など余すことなくつかった郷土料理があるのが特徴です。豚肉の内臓などを上手に料理してくれます。
リヨンの代表的な豚肉や内臓を使った料理を11品紹介します。
豚皮のおつまみ:グラトン
グラトン(Grattons)は豚の皮や脂身を豚脂で揚げ焼きしたパリパリとしたおつまみのこと。塩味のついていて濃厚な味なので、お酒が進みます。前菜の前のアペリティフとして提供されます。
豚の鼻のサラダ:サラド・ド・ミュゾー
豚の鼻のサラダ(サラド・ド・ミュゾー Salade de museau)は豚の鼻を薄くスライスして、マヨネーズや酢で味付けしたサラダ。
コリコリした食感で、独特の香りや味がします。ワインと一緒にいただくととても相性がいいです。
ブション料理の前菜は豚肉や内臓をつかっている料理も多く、とてもボリューム感があるのが特徴です。濃厚な味の前菜なので食欲を刺激してくれること間違いなしです。ワインにも合います。
リヨン風サラダ:サラドゥ・リヨネーズ
リヨン風サラダ(サラドゥ・リヨネーズ Salade lyonnaise)はサラダ菜、クルトン、ポーチドエッグ、太めのベーコンが入ったサラダ。
クルトン(Croûton)とは一口大に切ったパンににんにくで味付けして、バターや油でグリルしたもの。ベーコンはラルドン(Lardon)いい、太めに切った豚バラ肉を薫製したもの。
レストランの前菜やカフェでの食事(大きめのポーション)として提供されます。ベーコンもクルトンもたくさん入っているので食べ応えのあるサラダです。
リヨンのソーセージ:ソシソン・リヨネ
リヨンのソーセージ(ソシソン・リヨネ Saucisson lyonnais)は豚肉と豚の脂の入った、太さ10cmほどの硬いサラミのこと。Saucisson de Lyon(ソシソン・ド・リヨン)、Jésus de Lyon(ジェズ・ド・リヨン)ともいいます。
中にビスたちオ、オリーブ、チーズなどが入ったものもあります。それを薄くスライスしておつまみとして提供されます。
シャルキュトリー Charcuterie という豚肉を加工した食品(ソーセージやパテなど)を売っている店やマルシェで買うこともできます。ただ、肉製品なのでお土産として日本に持ち帰ることはできません。
リヨンのソーセージ料理:ソシソン・ショー
ソシソン・ショー(Saucisson chaud)とは「あたたかいソーセージ」という意味で、豚肉を腸に詰めたソーセージのです。
ソシソンには上記のように乾燥したサラミのようなものもあれば、こちらのように茹でて食べる太いソーセージタイプのものもあります。
ソシソン・ショーは茹でて厚めにスライスしたソーセージにワインなどで作ったソースをかけ、茹でたじゃがいもを添えた料理です。
肉をつかったボリュームのある料理ですが、ブションでは前菜として提供されることもあります。(メインとして提供されることもあります)
リヨン風パテ:パテ・アン・クルート・リヨネ
リヨン風パテのパイ包み(パテ・アン・クルート・リヨネ Pâté en croûte lyonnais)は豚肉や仔牛の肉やフォアグラをパイ生地で包み焼いた冷たい前菜です。
1cmほどにスライスして、サラダとともに提供されます。
豚肉を加工した食品を売っているシャルキュトリー(Charcuterie)やトレトゥール(Traiteur)という総菜店で量り売りで購入することができます。
豚の胃袋のパン粉焼き:タブリエ・ド・サプール
タブリエ・ド・サプール(Tablier de sapeur)牛や豚のfraise(フレーズ)という腸間膜(腸をおおって脊髄に固定している膜)やbonnet(ボネ)という胃袋を白ワインでマリネして、パン粉をつけて焼き上げしたリヨン料理のこと。こちらも豚の内臓料理です。
外はかりっとしていて中はジューシーに焼き上がっています。内臓料理だと臭みを心配するかもしれませんが。内臓の処理をきちんとしていて特有のイヤな臭みは全く残っていません。
タブリエ・ド・サプールとは「軍人のエプロン」という意味で、もともとは「ギニョル(リヨンの人形)のエプロン」と呼ばれていましたが、ナポレオン3世の頃に活躍したリヨンの軍人マレシャル氏に由来してこう呼ばれるようになりました。
当時の軍人は軍服をまもるために革製のエプロンを身に着けていたからだそうです。
豚の血ソーセージ:ブーダン
ブーダン(Boudin)は豚の血のソーセージのことで、真っ黒な色をしたソーセージです。豚の血や脂を詰めたソーセージを焼き、じゃがいもやコンポートにした甘いりんごを添えた料理。
日本人にはなじみがないけれど、プリンとした食感でフランス人には人気の料理のひとつ。
豚の腸詰めソーセージ料理:アンドゥイエット
アンドゥイエット(Andouillette)は豚の内臓入りソーセージのことで、同じく豚の内臓料理です。Fraise(フレーズ)という腸間膜(腸をおおって脊髄に固定している膜)や豚の腸に、豚や仔牛の胃を詰めてソーセージにした料理。
ソーセージ1本をそのままグリルして、マスタードを添えて提供されます。また、太めのソーセージを輪切りにして、パン粉をつけ上げ焼きして、赤ワインソースをかけた料理もある。
内臓料理なので匂いやクセが心配するかもしれないけれど、良い店で丁寧にした処理されたアンドゥイエットは全く臭みもなく外は香ばしく、しっかりした食感を楽しめます。
豚足料理:ピエ・ド・ポー
ピエ・ド・ポー(Pied de Porc)は豚足のことで、豚足をグリルした料理です。こんがりとグリルした豚足は香ばしく、臭みはなく、日本の豚足が嫌いな人でも食べれるくらいです。
豚肉料理:コション
メニューにコション(Cochon)と載っていたら豚肉料理です。リヨンでももちろん内臓だけでなく、豚肉の料理もあります。
焼き方やソース、付け合わせなど様々な料理があります。内臓料理だけでなく豚肉も美味しいので、ぜひ試してみてください。
以上、リヨンの豚肉をつかった料理を紹介しました。ぜひ、リヨンのブションやレストランで豚肉料理や内臓料理を試してみてください。