リヨンは美食の街と言われているとおり、おいしいものが溢れています。もちろんお菓子にも美味しいものがたくさんあります。
リヨンに来たらリヨン名物お菓子をぜひ食べてほしい!
ということで、今回はリヨンの名物であるプラリネのお菓子、砂糖のタルト、郷土菓子、レストランでしか食べれないデザート、リヨンのショコラティエであるベルナシオンのスペシャリテをすべて紹介します。
お菓子屋さんやショコラティエ、レストランやブション、スーパーやマルシェなどで見かけたらぜひ試してみてください。
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赤いプラリネのお菓子
リヨンの名物と言えば、赤いプラリネのお菓子です。
赤いプラリネはアーモンドなどのナッツ類に加熱した砂糖をまぶしてコーティングしたもので、砂糖が焦げて茶色をしていて香ばしいお菓子です。通常はこのまま食べたり、すりつぶしてチョコレートの中身にしたり、お菓子の中身にしたりします。
リヨン地方ではこのプラリンに赤く色付けしているのが特徴です。
赤いプラリネのタルト
赤いプラリネのタルトは赤いプラリネの入ったタルトで、タルト・ア・ラ・プラリン(Tarte à la praline)といいます。
真っ赤なプラリネと生クリームを合わせて火にかけて、とろりとしたらタルト生地に流して、オーブンで焼いてつくります。
タルト全体が真っ赤な色をしているのでびっくりするかもしれませんが、甘くてねっとりとしたプラリネに香ばしいナッツの相性がぴったりなタルトです。
リヨンではどのお菓子屋さんやパン屋さんにも置いているほど有名なタルトですが、ジョクトー(Jocteur)というパン屋さんは最初にタルト・ア・ラ・プラリンを販売し、タルト生地と薄いプラリネ生地の割合がおいしいと評判です。
本店はリヨン北部にありますが、リヨン中心のポールボキューズ市場にも店舗がありますので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
赤いプラリネのブリオッシュ
赤いプラリネのブリオッシュは赤いプラリネを練りこんだブリオッシュで、ブリオッシュ・ア・ラ・プラリン(Brioche à la praline)といいます。同じく赤いプラリネをつかったリヨンの名物菓子です。
ブリオッシュに甘いプラリネをたっぷりと加えた菓子パンです。ブリオッシュとはバターや卵、砂糖をたっぷりと加えたリッチなパンのことです。
持つとずっしりとした重さがあり、一人分の小さいサイズから、数人用の大きめサイズまで販売されています。
リヨンではプラリュ Pralu というブリオッシュ・ア・ラ・プラリンの専門店のものがとても美味しいと評判で、週末になると各店舗で行列ができているほどです。
行列の多くは観光客ではなく地元のリヨンの人々で、リピートしたくなるほどの美味しさです。絶対に食べていただきたいお菓子です。
ブリオッシュ・ド・サン=ジュニ
ブリオッシュ・ド・サン=ジュニ(Brioche de Saint-Genix)は丸い形のブリオッシュ生地に赤いプラリネを練り込み、表面にあられ糖を飾ったお菓子のことです。上記の「ブリオッシュ・ア・ラ・プラリン」の元になったお菓子です。
リヨンの東部にあるサヴォア地方のサン=ジュニ・シュル・ギュイエ(Saint-Genix-sur-Guiers)という小さな町で誕生しました。サヴォアの旗の色である赤と白をイメージして、プラリネの赤色、あられ糖の白で表現されています。
このお菓子の歴史は古く、最初に作られたのは15世紀半ばといわれており、リヨン近くのブルゴワン=ジャイユー Bourgoin-Jallieuという小さな町で作られました。それ以来、リヨンやその周辺の地方では赤いプラリネをつかったお菓子が名産となりました。
他にもお菓子に赤いプラリネを練りこんだお菓子があります。
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リヨン郷土菓子
つぎは、リヨンでよく食べられている郷土菓子の紹介です。
クッサン・ド・リヨン
クッサン・ド・リヨン(Coussins de Lyon)はターコイズブルーの鮮やかな色のアーモンド生地の中にキュラソーで香りをつけたチョコレート生地を挟んでいるリヨン名物のお菓子です。
リヨンで有名なコンフィズリー店である VOISIN ヴォワザンがクッサン・ド・リヨンを考案した店で、フルヴィエール大聖堂の歴史い由来しているリヨンを代表するお菓子です。
かわいいクッション型の箱に入ったクッサン・ド・リヨンはお土産にぴったりです。
パピヨット
パピヨット(Papillote)とはメッセージの書かれた紙が一緒に入っている一口大の小さなチョコレート菓子のことです。
キラキラとした紙でラッピングされ、両端は切り込みを入れひらひらと蝶々のようにしていることから、パピヨット(蝶)と名付けられました。
中のチョコレートはトリュフやガナッシュの入ったチョコレートボンボン、Pâte de fruits(パット・ドゥ・フリュイ)という果物の固めのゼリーなどがあります。
チョコレートを巻いている紙にはメッセージが書かれているのが特徴で、そのメッセージには、なぞなぞ、冗談、ポエム、ことわざなどが書かれています。
このパピヨットは今ではフランス全土でみられますが、リヨンのクロワルッス地区で生まれたお菓子で、愛の贈りものとして誕生しました。
パピヨットはクリスマス時期に食べるお菓子で、11月末になるとお菓子屋さんやスーパーにパピヨットが並びはじめます。ぜひこの時期にリヨンに来られた際にはパピヨットをお土産としてみてはいかがでしょうか。
ビューニュ
ビューニュ(Bugnes)は小麦粉、砂糖、卵、バターで作った生地油で揚げて、熱いうちに粉砂糖をたっぷりとかけたリヨン名物のお菓子です。
リヨンのビューニュには2種類あり、「薄く伸ばしたパリパリ」「こんにゃく結びのふわふわ」タイプがあります。
パリパリタイプは、生地を薄く伸ばし、長方形に切り、油で揚げて粉砂糖を振りかけて作ります。食感はパリパリとして、生地が厚めの場合はザクザクとした食感のものもあります。
ふわふわタイプは生地を厚めに伸ばし、ひし形に切り、真ん中に穴をあけ、その穴に生地の端をくぐらせて結びこんにゃくのような形にし、油で揚げ粉砂糖をまぶします。食感はフワフワとして、ドーナツのような感じです。
リヨンでは2種類とも店頭に並べられて、量り売りされています。100gあたり3〜5€くらいです。
ただ、マルディグラというキリスト教の行事の際に食べるお菓子なので、2月〜3月の時期にしか出回りません。この時期にリヨンに来られたらぜひ食べてほしいお菓子です。
旧市街にあるア・ラ・マルキーズのビューニュが絶品で、店頭に並んだらすぐになくなってしまうほどです。
ポーニュ・ド・ロマン
ポーニュ・ド・ロマン(Pogne de Romain)は中央に穴のあいたドーナツ状の菓子パンのこと。ブリオッシュ生地にオレンジ水で香り付けしたフワフワとした甘いパンです。
大きさは20cm以上あるものが一般的で、マルシェなどでは50cm以上の大きさで焼かれ、量り売りされています。
ポーニュ・ド・ロマンとは「ロマン人の手」という意味で、ロマンとはリヨン近郊の地方の名前です。ロマン地方で中世時代の13世紀に復活祭の時期に作られはじめられた伝統的な名物菓子です。
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ベルナシオンのスペシャリテ
リヨンの有名ショコラティエであるベルナシオンのお菓子も見逃せません。ベルナシオンはリヨンにしか店舗がなく、特にケーキは本店でしか食べれませんので、ぜひリヨンで食べてくださいね。
ガトー・プレジダン
ガトー・プレジダン(Gâteau Président)とは「大統領」という意味で、リヨンのショコラティエ・ベルナシオンのスペシャリテです。
プレジダンはノワゼットのプラリネをつかったガナッシュクリームにシェリー酒に漬けたさくらんぼをはさみ、表面をチョコレートで覆い、上に薄く削ったひらひらのチョコレートを扇形に華やかに飾ったチョコレートケーキです。
このケーキが生まれたのは1975年で当時の大統領ヴァレリー・シスカール・デスタンのためにこのケーキを考案し、名前を「大統領」と名付けました。
プレジダンがつくられてから40年以上経ちますが、今でもベルナシオンの看板商品で昔と変わらない味を提供しています。
パレ・ドール
パレ・ドール(Palet d’Or)とは同じくベルナシオンのスペシャリテのひとつ。バニラとイジニー特産の生クリームのガナッシュを中に詰め、チョコレートでコーティングした丸いチョコレート菓子です。ベルナシオンのスペシャリテのひとつです。
パレ・ドールとは「黄金の丸い円盤」型のお菓子のことで、金箔が表面に飾られています。こちらもつくられた当初とレシピは変えていません。
ベルナシオンのチョコレートは、中南米の国々産のクリオロという超希少な種類のカカオ豆を10種類もつかいチョコレートを自社で製造しています。
今まで食べたことのないチョコレートの味がするので、ぜひ食べてほしいチョコレートです。
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リヨンのデザート
リヨンでよくみられるデザートもあります。リヨンのレストランのデザートメニューに載っています。
Vacherin ヴァシュラン
ヴァシュラン(Vacherin)とはサクサクに焼いたメレンゲに泡立てた生クリームとアイスクリーム、フルーツをはさんだ冷たいデザートのことです。
フランスでは生クリームとフルーツをはさんだデコレーションケーキのようなものはないため、ヴァシュランは日本のデザートを思い起こさせるデザートです。
リヨンで19世紀に誕生した郷土菓子で、ブラッスリーやレストランでよく見られるデザートです。パティスリーにはあまり置いていないので、レストランでデザートとして食べてみてはいかがでしょうか。
砂糖のガレット
砂糖のガレットとはガレット・オ・シュクル(Galette au sucre)といい、砂糖をつかった丸い形のお菓子のことです。リヨン近くの町には砂糖のガレットで有名な町が2つあります。
ガレット・ド・ペルージュ
ひとつめは、観光地として有名で中世の名残の残る小さな町ペルージュの砂糖のガレットです。小さな町の名物菓子となっており、ガレット・ド・ペルージュ(Galette de Pérouges)といいます。
丸型に薄く伸ばしたブリオッシュ生地に砂糖をたっぷりとまぶし焼いたお菓子です。フワフワとしたパンに砂糖の素朴な甘さが、懐かしさを感じるようなじんわりと美味しいお菓子です。
ガレット・ブレッサン
ガレット・ブレッサン(Galette bressane)とは「ブレス地方のガレット」という意味で、ブリオッシュ生地に砂糖と生クリームを塗って焼いたお菓子です。
リヨン近くにあるブレス地方では良質なバターや生クリームなどの乳製品の名産地です。そのブレス地方のクリームを用いています。
ガレット・ブレッサンはブリオッシュ生地を薄く丸く伸ばし、砂糖とクリームを表面に流して焼いたお菓子です。砂糖の素朴な甘さとクリームの濃厚さを感じるお菓子です。
主にパン屋さんに並んでいますので、見つけたらぜひ試してみてください。
以上、リヨンのお菓子のすべてを紹介しました。ぜひリヨンで甘いお菓子を食べてみてくださいね。