リヨンには町や周辺の地域の特産品が数多くあります。リヨンでしか見られないものもあり、現地で食べたり、お土産として日本で味わってほしい特産品があります。
その特産品の中でもぜひ食べてほしい特産品を10つ紹介します。また、その特産品の購入先や美味しい店も案内しています。
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リヨンを代表する特産品ソシソン・リヨネ
ソシソン・リヨネ(Saucisson Lyonnais)は「リヨンのソーセージ」という意味で、豚肉と豚の脂の入った10cmほどの太さで硬いサラミで、とても有名な特産品です。それを薄くスライスしておつまみとして提供されます。中にピスタチオ、オリーブ、チーズなどを加えたものもあります。
ソシソンは塩漬けした豚肉と脂肪に白胡椒や黒胡椒、にんにく、スパイス(ナツメグ)を混ぜ、腸に詰め、数ヶ月間熟成させるとともに乾燥させて作ります。リヨンの上質なソシソンは重さ400〜500g以上、脂肪量15〜20%以下が最もよいとされています。
シャルキュトリー(Charcuterie)という豚肉を加工した食品を売っている店やマルシェで購入できます。ただ、肉製品なのでお土産として日本に持ち帰ることはできません。旅行中にたくさん食べてくださいね。
ボジョレー産ワインも特産品
ボジョレー村で造られているワイン(Vins du Beaujolais ヴァン・ド・ボジョレー)も有名な特産品です。ボジョレーはリヨンの北部に位置する丘陵地で、ワインの一大生産地です。生産されるワインの9割以上がガメイ種をつかった軽快な赤ワインです。
ボジョレー・ヌーボーとして有名ですが、ヌーボー以外にも質の高いワインが生産されており、質の高いボジョレーワインを楽しめます。
ワインボトルやメニューにボジョレー(Beaujolais)と書いてあれば、ボージョレ村で生産されたワインです。ボージョレの特産品のワインをお土産にしてはいかがでしょうか。
リヨンの特産チーズ サン・マルスラン
サン・マルスラン(Saint-marcellin)とはリヨン南東に位置するサン・マルスラン村で生産されたチーズです。サン・マルスランは美味しいと評判の特産品です。
大きさは80gと小さいサイズのもので、表面はしわしわと白カビが生えていて、中はとろけるほどにやわらかく、クセは強くなく濃厚な風味の牛のチーズ。4週間熟成させた後、4月〜9月が最もおいしいとされています。
また、サン・フェリシアンというチーズも有名で、サン・マルスランに見た目は似ており、少し大きいサイズです。サン・マルスランは濃厚で強いチーズですが、ややまろやかな風味で食べやすいチーズです。
特に、ポール・ボキューズ市場内にあるリシャール(Richard)というチーズ屋さんのものはポール・ボキューズ本店でも提供されるほどで、美味しいと定評があります。
ブレス地方の特産バター
リヨン近郊にあるブレス地方(Bresse)の平野で育った乳牛からとれる乳製品も美味しいととても有名です。ローヌアルプ地方の星付きのレストランでも使われているほどです。ブレス地方のバターはA.O.P.(原産地保護呼称)に指定されています。フランスでは3ヶ所のバターしかA.O.P.に登録されていません。(ほかはシャラン=ポワトゥ、ノルマンディーのイズニーの2ヶ所)
A.O.P.(Appéllation d’Origine Protégée)アー・オー・ペー: 原産地保護呼称
フランスのAOCに倣って1992年に生まれたヨーロッパの原産地保護呼称です。AOCはAOPの一部を構成しています。産品の原産地を保証するもので、気候条件、日照、土壌、植生、飼料、先祖伝来の飼育や生産法などの地域特性が産品に反映されるという考え方です。産品が該当する地域で正当に生産されたものであることを証明します。フランスのAOCはおおむねAOPと見なされ、フランスのフロマージュ(=チーズ)も現在はAOP制度に組み込まれています。
[https://jp.france.fr/ja/news/article/53124 より引用]
チーズ屋さんやスーパーなどでも普通に売っているバターで、1つ2,50ユーロ(250g)ほどです。バター好きの方にはぜひ試してほしいです。
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ベルナシオンのチョコレート
ベルナシオンのチョコレートも有名な特産品のひとつではないでしょうか。ベルナシオンではカカオを南米を中心に10カ国から輸入して、自社でカカオ豆からチョコレートを作っている世界的にも有名なチョコレート屋さんです。日本でも美味しいと有名ですよね。
持ち帰りのできるチョコレートボンボンや板チョコももちろんオススメですが、本店にしかないチョコレートケーキをぜひ食べてほしいです。プレジダンというチョコレートケーキがベルナシオンを代表するケーキです。他にもチョコレートケーキが多数あり、ここだけの話、高級ショップとは思えないほどお値段は安いです。ほかの町のお菓子屋さんと同等くらい。
ベルナシオンの板チョコはリヨンでは8ユーロほどで購入できます。日本だと3000円以上しますので、ぜひチョコレート好きな方は本店でお買い求めください。
特産の赤いプラリネのタルト
リヨンやその周辺の町では、真っ赤な色したプラリネをつかったお菓子が特産品として有名です。その中でも赤いプラリネ(Tarte à la praline タルト・ア・ラ・プラリン)を使ったタルトが有名です。
プラリン(Praline)とはアーモンドなどのナッツ類に加熱した砂糖をまぶしてコーティングしたもので、砂糖が焦げて茶色をしていて香ばしいお菓子です。通常はこのまま食べたり、すりつぶしてチョコレートの中身にしたり、お菓子の中身にしたりします。このプラリンに赤く色付けしているのが特徴です。
真っ赤なプラリネと生クリームを合わせて火にかけて、とろりとしたらタルト生地に流して、オーブンで焼いてつくります。タルト全体が真っ赤な色をしているのでびっくりするかもしれませんが、甘くてねっとりとしたプラリネに香ばしいナッツの相性がぴったりなタルトです。
リヨンではどのお菓子屋さんやパン屋さんにも置いているほど有名なタルトですが、ジョクトー(Jocteur)というパン屋さんは最初に赤いプラリネのタルトを販売し、タルト生地と薄いプラリネ生地の割合がおいしいと評判です。本店はリヨン北部にありますが、ポールボキューズ市場にも店舗がありますので、ぜひ行かれてみてはいかがでしょうか。
赤いプラリネのブリオッシュ
こちらも赤いプラリネをつかったリヨンの特産品で、ブリオッシュ・ア・ラ・プラリン(Brioche à la praline)といいます。ブリオッシュ(Brioche)とはバターや卵をつかったリッチなパンで、そのパンに甘いプラリネ(Praline)をたっぷりと加えて焼いています。
リヨンだけでなくローヌアルプ地方で見られる特産品で、丸い形やドーナツ状の王冠の形もあります。持つとずっしりとした重さがあり、一人分の小さいサイズから、数人用の大きめサイズまで販売されています。
このお菓子の歴史は古く、最初に作られたのは15世紀半ばといわれており、リヨン近くのブルゴワン=ジャイユー(Bourgoin-Jallieu)という小さな町で作られました。それ以来、この地方では赤いプラリネをつかったお菓子が名産となりました。
リヨンではプラリュ(Pralus)という店のものがとても美味しいと評判で、週末になると各店舗で行列ができているほどです。
行列の多くは観光客ではなく地元のリヨンの人々で、リピートしたくなるほどの美味しさです。絶対に食べていただきたい特産品です。
リヨン周辺地域の特産品ビューニュ
ビューニュ(Bugnes)とは小麦粉、砂糖、卵、バターで作った生地を油で揚げて、熱いうちに粉砂糖をたっぷりとかけた揚げ菓子のことです。リヨン周辺でよく見られる特産品です。素朴な味ですが、美味しくて止まらなくなるお菓子です。
ビューニュには2種類あり、「薄く伸ばしたパリパリ」「こんにゃく結びのふわふわ」タイプがあります。
パリパリタイプは、生地を薄く伸ばし、長方形に切り、油で揚げて粉砂糖を振りかけて作り、食感はパリパリとしています。ふわふわタイプは生地を厚めに伸ばし、ひし形に切り、真ん中に穴をあけ、その穴に生地の端をくぐらせて結びこんにゃくのような形にし、油で揚げ粉砂糖をまぶします。食感はフワフワとして、ドーナツのような感じです。
お菓子屋さんでは2種類とも店頭に並べられて、量り売りされています。100gあたり3〜5€くらいです。
ただ、マルディグラというキリスト教の行事の際に食べるお菓子なので、2〜3月の時期にしか出回りません。この時期は町中のお菓子屋さんがビューニュだらけになります。
揚げ菓子で翌日にはしんなりとしてしまうので、お土産には不向きです。この時期にリヨンに来られたらぜひ食べてほしい特産品です。
旧市街にあるア・ラ・マルキーズ(À la marquise)のビューニュが絶品で、店頭に並んだらすぐになくなってしまうほどです。ぜひお試しください。
お土産に最適な特産品クッサン・ド・リヨン
クッサン・ド・リヨン(Coussins de Lyon)はターコイズブルーの鮮やかな色のアーモンド生地の中にキュラソーで香りをつけたチョコレート生地を挟んでいるお菓子です。リヨンの特産品のお菓子としては最も有名です。
老舗コンフィズリー店であるヴォワザン(VOISIN)がクッサン・ド・リヨンを考案しました。かわいいクッション型の箱に入っているので特産品のお土産としては最適です。
リヨン市内にはヴォワザンの支店が多数あり、また空港、お菓子屋さんやお土産屋さんでも置いてあるのでどこでも購入することができます。
クリスマスに食べるお菓子パピヨット
パピヨット(Papillote)もリヨンで生まれた特産品です。パピヨットとはメッセージの書かれた紙が一緒に入っている一口大の小さなチョコレート菓子のことです。
キラキラとした紙でラッピングされ、両端は切り込みを入れひらひらと蝶々のようにしていることから、パピヨット(蝶)と名付けられました。中のチョコレートを巻いている紙にはメッセージが書かれていおり、なぞなぞ、冗談、ポエム、ことわざなどが書かれているのが特徴です。
中のチョコレートはトリュフやガナッシュの入ったチョコレートボンボン、パット・ドゥ・フリュイ(Pâte de fruits)という果物の固めのゼリーなどがあります。
このパピヨットは今ではフランス全土でみられますが、リヨンのクロワルッス地区で生まれたお菓子です。パピヨットは主にクリスマス時期に食べるお菓子で、11月末になるとお菓子屋さんやスーパーにパピヨットが並びはじめます。
パピヨットはお菓子屋さんやスーパーなどで購入することができます。12月ごろにリヨンに来られる際にはぜひお土産にどうぞ。
以上、リヨンの特産品10品の紹介でした。おいしい特産品をぜひ見つけてみてくださいね。