リヨンは美食の街と言われているとおり、レストランはほんとにハズレが少なく、おいしいものが楽しめます!そんなリヨンで生まれた伝統料理を10品紹介します。
メニューをみて分かるようにフランス語とその読みかたも表記しています。料理名はレストランにより多少異なりますが、メニューの中にこれらのフランス語単語が使われていれば料理の内容は想像できるように書いています。
魚のグラタン伝統料理クネル
まずは、リヨンを代表する伝統料理であるクネル(Quenelle)です。クネルとはカワカマス(Brochet)をすり身にして円筒形に形づくり、オーブンで焼いた料理。オーブンから出したばかりのクネルはパンパンにふくれてスフレ状になっていて食欲をそそります。
ソースナンチュラ(sauce Nantua)というザリガニから取った出汁とクリームをつかったソースをかけていただきます。お米(ごはん)と一緒に提供されます。
認定マーク付きのブションや自家製(Fait maison)のマークのあるレストランであれば、間違いなくおいしいクネルが食べれます。時々味のないおいしくないクネルを出すレストランもあるので注意してください。
伝統的なリヨンのおつまみ料理ソシソン・リヨネ
ソシソン・リヨネ(Saucisson lyonnais)はかたいサラミのことで、ソシソン・ド・リヨン(Saucisson de Lyon)やジェズ・ド・リヨン(Jésus de Lyon)ともいいます。
ソーシソン・リヨネとは豚肉と豚の脂で作り、10cmほどの太さで硬いサラミのこと。中にビスたちオ、オリーブ、チーズなどが入ったものもあります。それを薄くスライスしておつまみとして提供されます。
シャルキュトリー(Charcuterie)という豚肉を加工した食品(ソーセージやパテなど)を売っている店やマルシェで買うこともできます。ただ、肉製品なのでお土産として日本に持ち帰ることはできませんので、リヨンで十分に食べてくださいね。
リヨンの伝統料理ソシソン・ショー
ソーしソン・ショー(Saucisson chaud)は「あたたかいソーセージ」という意味で、こちらは茹でて食べるやわらかいソーセージのです。ソシソン・ショーは茹でて厚めにスライスして、ワインなどで作ったソースをかけ、じゃがいもなどの野菜添えた伝統料理です。
ソシソンには上記のように乾燥したサラミのようなものもあれば、こちらのように茹でて食べる太いソーセージタイプのものもあります。肉をつかったボリュームのある料理ですが、前菜として提供されることもあります。
豚の内臓を詰めた伝統料理アンドゥイエット
アンドゥイエット(Andouillette)は豚の内臓入りソーセージで、フレーズ(Fraise)という腸間膜(腸をおおって脊髄に固定している膜)や豚の腸に、豚や仔牛の胃を詰めてソーセージにした伝統料理。
ソーセージ1本をそのままグリルして、マスタードを添えて提供されます。また、太めのソーセージを輪切りにして、パン粉をつけ上げ焼きして、赤ワインソースをかけた伝統料理もあります。
内臓料理なので匂いやクセが心配するかもしれないけれど、良い店で丁寧にした処理されたアンドゥイエットは全く臭みもなく外は香ばしく、しっかりした食感を楽しめます。
リヨンの豚の鼻を使った伝統料理サラド・ド・ミュゾー
サラド・ド・ミュゾー(Salade de museau)は豚鼻の軟骨のサラダのことで、豚の鼻を薄くスライスして、マヨネーズや酢で味付けしたサラダ料理。コリコリした食感で、独特の香りや味がします。ワインと一緒にいただくととても相性がいいです。
ブション料理の前菜は肉や内臓をつかっている料理も多く、とてもボリューム感があるのが伝統。濃厚な味の前菜なので食欲を刺激してくれること間違いなしです。ワインにも合います。
鶏レバーの伝統料理ガトー・ド・フォア
ガトー・ド・フォア(Gâteau de foies)は鶏や鴨のレバーをペースト状にして、スフレ状にふっくらと焼いた料理。内臓料理ですが、きちんとレバーの血抜き等をしているため臭みもなく、ふわふわしていてレバーの独特の風味が楽しめます。
菓子(Gâteau)と書いてありますが、お菓子ではなくお菓子のように型に入れて焼いているためこのように呼ばれます。
リヨンのサラダ料理サラドゥ・リヨネーズ
サラドゥ・リヨネーズ(Salade lyonnaise)はリヨン風サラダのことで、サラダ菜、パンににんにく味を付けてグリルしたクルトン、ポーチドエッグ、太めのベーコンが入ったサラダ。ベーコンもクルトンもたくさん入っているので食べ応えのあるサラダです。
レストランの前菜やカフェでの食事(大きめのポーション)として提供されます。カフェで提供される場合は、このサラダだけでお腹いっぱいになるほどのボリュームです。
豚肉パテのパイ包み伝統料理パテ・アン・クルート・リヨネ
パテ・アン・クルート・リヨネ(Pâté en croûte lyonnais)はリヨンのパテのパイ包みのことで、豚肉や仔牛の肉やフォアグラをパイ生地で包み焼いた伝統料理。冷たくして薄く切って食べます。レストランで前菜として出てきます。
また、豚肉を加工した食品を売っているシャルキュトリー(Charcuterie)やトレトゥール(Traiteur)という総菜店で量り売りで購入することができます。
リヨン特有の胃袋を使った伝統料理タブリエ・ド・サプール
タブリエ・ド・サプール(Tablier de sapeur)は牛や豚の腸間膜やボネ(Bonnet)という胃袋を白ワインでマリネして、パン粉をつけて焼き上げしたリヨンの伝統料理。
外はかりっとしていて中はジューシーに焼き上がっています。内臓料理だと臭みを心配するかもしれませんが。内臓の処理をきちんとしていて特有のイヤな臭みは全く残っていません。
タブリエ・ド・サプールとは「軍人のエプロン」という意味で、もともとは「ギニョル(リヨンの人形)のエプロン」と呼ばれていましたが、ナポレオン3世の頃に活躍したリヨンの軍人マレシャル氏に由来してこう呼ばれるようになりました。当時の軍人は軍服をまもるために革製のエプロンを身に着けていたからだそうです。
リヨンで生まれた伝統的なチーズ料理セルヴェル・ド・カニュ
セルヴェル・ド・カニュ(Cervelle de canut)はフレッシュチーズに塩こしょう、シブレットという青ネギのようなハーブ、にんにくにエシャロットを加えたリヨンの伝統料理です。ブションのチーズとして提供され、パンに塗っていただきます。
セルヴェル・ド・カニュとは直訳すると「絹織物職人の脳みそ」という意味です。リヨンの絹織物職人が朝食にパンに塗って食べていて、見た目が脳みそのように見えることから名付けられました。
以上、リヨンの伝統料理10品を紹介しました。レストランやブションに行かれた際に参考になれば幸いです。