クロワルッスはリヨン北の丘にある地区です。リヨンの絹織物の歴史と関わりがあり、織物を運んだトラブールや絹織物のアトリエが今でも残っています。週末には大きなマルシェができ、住民の日常がかいま見れるエリアでもあります。
クロワルッス地区にある観光スポットやレストランやブション、チョコレートやお菓子などのスイーツ、クロワルッス地区の歩き方や楽しみかたを紹介します。
リヨンのクロワルッス地区の観光スポット
リヨンのクロワルッス地区にある観光スポットの一覧です。
リヨンのクロワルッス地区のスイーツ
リヨンのクロワルッス地区にあるお菓子屋さんやアイスクリーム屋さんの一覧です。
リヨンのクロワルッス地区の歩き方
クロワルッスはリヨン市の北の丘にある地区です。クロワルッス Croix-Rousse は絹織物工で働いている丘にちなんで名付けられました。
中世時代、リヨンの町は現在のテロー広場くらいの場所で終わっていました。丘につづく坂と高台は農地やブドウ栽培に使われていました。
クロワルッスの地名はドムブ Dombes とヌーヴィル Neuville に向かうふたつの道が交差する高台に立てられたクゾン Couzon 産のオーカー色の色調を帯びた赤石の十字架に由来しています。
この十字架は何度も壊されましたが、1994年ジョアネス・アンブル広場 Place Joannès Ambre に複製が設置されました。16世紀からクロワルッス地区には集落ができたあとに、多くの修道院が建てられました。
フランス革命後には、絹織物の職人や商人たちがこの地区に産業拠点を築きました。
リヨンの絹織物工のことをカニュ Canut といいます。彼らは当初旧市街地区の南であるサン・ジョルジュ地区に住んでいましたが、非常に衛生状態が悪かったためクロワルッス地区に移住してきました。
町は職人たちを受け入れるために、4mの天井をもつ4〜7階建てのアパルトマンを多数建設しました。絹織物を織るためのジャカール織機は高さ3m以上あるため、それを収める建物が必要でした。ほかにも病院をつくり、や丘の下の町と丘をつなぐ登山電車を開通させました。
非常に過酷な労働条件で働いていた絹織物工たちは待遇の改善をもとめて、1831年から何度も反乱を起こしました。
19世紀初頭、クロワルッス地区は小さいながらも市に昇格し、その後大きな市として認められ、1852年にはリヨン市に組み込まれました。
19世紀末には、成功した実業家たちが丘の上の大通りに次々に豪華なアパルトマンを建て、この一帯はブルジョワの地区となりました。
テロー広場からクロワルッス地区へ
テロー広場の北側に通じるテルム通り Rue Terme は上り坂の緩やかな道になっています。アノンシアッド通り Rue de l’Annonciade を通り、ルーヴィル広場 Place Rouville に出ます。この広場には19世紀初めの建物メゾン・ブリュネ Maison Brune があり、1831年11月の反乱の際、カニュたちがこの建物に逃げ込みました。この建物は窓数365、戸数54、8階建て、4か所の入口と当時としてはかなり大きな建物でした。
メゾン・ブリュネ Maison Brune の斜め向かいにはシャルトルー庭園 jardin des Chartreux があり、ソーヌ河とフルヴィエールを一望できます。眺めのいいポイントですのでおすすめです。
シャルトルー庭園 jardin des Chartreux
ジロー広場 Cour Giraud をすすむと、右側にクロワルッス並木通り Boulevard de la Croix-Rousse と交わります。
すぐにピエール・デュポン通り Rue Pierre Dupon という小さな通りが右にある、その通りをすすむとサン・ブルーノ・デ・シャルトルー教会 Église St-Bruno des Chartreux が見えてきます。16世紀に建てられたリヨンで唯一のバロック式教会です。
クロワルッス並木通り Boulevard de la Croix-Rousse は城壁跡に1866年につくられ、クロワルッスでの生活の中心となり、リヨンで最も大きな規模のマルシェが週末の午前中に開かれています。
クロワルッス並木通りの突き当たりの広場にはグロ・カイユ Gros caillou と呼ばれる氷河時代の岩が置かれています。
この岩は1891年、「フィセル Ficelle」というケーブルカーの開通を記念して設置されました。天気のいい日には、この広場からアルプス山脈やモンブランまで見渡すことができます。
クロワルッス並木通りにあるメトロの駅から北に曲がった通りはクロワルッス大通り Grand rue de la Croix-Rousse と呼ばれ、ブティックやカフェなどが並ぶ活気ののある通りです。クロワルッスのメトロ駅のある広場には機械織機の発明者であるジャカール Jaquard の銅像が鎮座しています。
かつて、クロワルッス大通りにはドムブ Dombes と丘を結ぶ主要な道路で宿駅、旅籠、粘土造りの家が並んでいました。
このエリアの絹織物業や職人の生活を知るにはメゾン・デ・カニュ Maison des Canuts を訪れることをおすすめします。
★リンク(メゾン・デ・カニュ Maison des Canuts )
Maison des Canuts 10 Rue d’Ivry, 69004 Lyon
ダンフェール・ロシュロー通り Rue Denfert Rochereau とカニュ大通り Boulevard des Canuts の角には絹織物工の壁 Mur des Canuts という巨大な壁絵がアパルトマンの壁全体に描かれています。
このエリアに住む住民の生活が描かれており、数年ごとに時代にあった絵が描き直されています。