プレスキル地区 Presqu’île とはリヨンの中心のエリアで、市庁舎から南のローヌ河とソーヌ河にはさまれた地区のことです。
プレスキル Presqu’île とはフランス語で「半島」を意味し、このプレスキル地区も俯瞰してみるとふたつの川にはさまれた半島のように見えます。
プレスキルの最南端はコンフリュエンス地区のローヌ河とソーヌ河が合流する地点です。
このエリアは古くはカナバエ島 Canabae と呼ばれており、古代ローマ時代には倉庫が置かれていた地域でした。カナバエとは倉庫を意味するラテン語です。リヨンはこの時代からふたつの川をつかった河川交易をすすめていました。
メルシエール通り Rue Mercière は19世紀の半ばまで町の中心で、プレスキルからローヌ河岸まで商品の輸送を担う道路でした。
プレスキル地区はリヨンの繁栄に伴い、速いスピードで発展していきましたが、道の狭さや建物の老朽化など19世紀当時の時代には合わなくなっていきました。地域の改造計画によって古いエリアが壊され、2本の古い大通りが切り開かれて、西にエドワード・エリオ大統領通り Rue du Président Edouard Herriot とレピュブリック通り Rue de la République となりました。
コードリエ地区を東西にのびるグルネット通り Rue Grenette やコードリエ広場の整備も行いました。コードリエ広場には中央市場がありましたが、1971年に撤去されました。
ユニクロのコードリエ店のあるグロエ通り Rue Grolée やハードロックカフェのあるプレジダン・カルノ通り Rue du Président Carnot は1893年に開通しました。
レピュブリック通り Rue de la République はオペラ座からベルクール広場までプレスキルを南北に長くのびている道路です。コードリエから南へは歩行者専用の道路になっており、デパートやブティック、カフェや飲食店が並んでいるリヨンで最もにぎやかな通りです。